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平成24年度 第2回RIC講演会 テーマ:中村太士 北海道大学教授『みどりの学術賞』受賞記念

講演主旨

 中村太士先生の『みどりの学術賞』(第6回)の受賞を記念し、中村先生と太田猛彦先生のお二人にご講演頂きました。
 中村太士先生は生態系管理学の分野におきまして、流域一貫の思想を提唱し、それを裏付ける生態系管理の方法を提示されました。これらを元に生物種と生息環境を基準にしました生態系評価と復元方法を確立され、日本の森林・河川・湿地の管理指針として定着しており、釧路湿原での取り組みを積極的に指導されています。
 太田猛彦先生は森林環境学、森林水文学、治山、砂防学の研究・教育に40年間携わられた他、砂防学会、日本森林学会の会長等を歴任され、また、長年にわたり森林機能についての研究成果を発表し、国土交通省が主催する「今後の治水事業のあり方に関する有識者会議」でも森林の洪水緩和機能の限界等について積極的に発言されています。

講演内容

講師
中村太士 (北海道大学教授)
演題
「国土の変貌と生態系管理―レジームシフトを見据えて-」

 講演では、レジームシフトとは、自然界で生態系がある状態を維持するためには、生態系のシステムを構成する要素がある範囲内にとどまっていることが必要であるが、この範囲を超えた場合全く異なる生態系へ移行してしまうことを指すが、現在のレジームシフトは、国土レベル、地域レベルで起こっていると考えられ、その影響が強く出ているのではないかとの示唆がなされました。

講師
太田猛彦(東京大学名誉教授)
演題
「日本の森林の変遷と土砂災害」

 講演では、今後治山事業、国土保全事業は、自然環境について配慮を進め、河川等の生態系のことを考えなくてはならない。生物多様性の保全が非常に重要で、現在はこれら地球規模での生態系に大きく影響を与えていく状況にあるのではないかとの示唆がなされました。

開催日
平成24年7月9日(月)14:00~16:50
会  場
KKRホテル札幌 4階丹頂 聴
講者数
約210名