水防工法テキストtop

水防工法  月の輪工



■目的

増水中に堤防の居住側法面より水の吹き出しが確認された場合に、漏水の噴出口に土のうを積んで水を溜め、河川水位と漏水口の水位差を縮小することで、水の噴出の勢いを抑え、漏水口の拡大を防ぎ堤防の決壊を防止する工法です。



■作業手順




@土のうの積み方

・土のうは漏水口を中心に半径1.5mの半円径の輪を描きます。土のうは5段積みます。



A土のう積み、土入れ

・1〜4段目の土のうの積み方は、内側土のうは長手積みで上流側から積んでいきます。

・外側土のうは小口積みで内側土のうから50p程度離して並べます。

・土のう積みと同時進行で土のうの継ぎ目には土をつめて、踏み固めます。また、内側と外側の土のうの間に土をつめて、充分に踏み固めます。


Bビニールシート敷設

・4段目を積んだ後に、漏水を防ぐためのビニールシートを張ります。

・シートを張ったあとにパイプの取り付けを行います。



C土のう積み完了

・5段目を積んだあとに6段目の土のうを、中詰め土の上に、長手積みで並べます。


※赤点線はビニールシート。
施工時には、漏水箇所にカッターなどで穴をあけてください。



D控え杭

・5段目を積んだあとに、内側土のうに杭を打ちます。

・鋼杭は、土のう1袋に2本の割合で打ち込みます。



Eパイプの取りつけ

・あふれ出る水を流すために、塩ビパイプを4段目の土のうの上に取りつけます。その上に土のうを乗せ、塩ビパイプが動かないように固定します。



F鋼杭の打ち込み

・このパイプを鋼杭(又は木杭)で支えます。

・鋼杭とパイプの結束は、まず鋼杭の交差箇所にかみくくしを行います。ロープはパイプを固定するために上下に回し、最後はイボ結びをしてください。



G水落下部の施工

・パイプの水がおちる場所にブルーシート(PPシート)を1枚敷きます。その上に土のうを3袋、パイプと平行にして並べます。



■完成図



月の輪工の作業手順 動画(5分40秒) (MP4形式) ※BGMが流れます




この動画は、北海道河川財団の水防工法テキストに基づいて作成しています
水防工法テキストも参照しながらご覧ください