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水防工法  シート張り工



■目的

川側の堤防崩壊、及び透水を防ぐ工法です。むしろや土俵の入手が困難な今、その代わりに合成繊維のシートや土のうを使用します。




基本的な作業フロー

@資材の用意 合成繊維シートに骨パイプを取り付ける
Aシート吊りロープの結束  【かみくくし、のの字結び、フナ結び】
B土のう作り:17袋(内訳 重し土のう:3袋、あおり止め土のう:2袋、枕土のう:12袋)
C重し土のうの取り付け:3袋  【かみくくし、フナ結び】
Dあおり止めの重し土のう:2袋  【固結び、のの字結び、ふた結び】
E枕土のう設置:12袋
F木杭の打ち込み、結束  【フナ結び】
Gシートの投げ入れ


■作業手順(合成繊維シート使用の場合)

@資材の用意

・合成繊維シートを堤防上面に広げます。骨パイプ6本は下図のようにシートの切り込みに通します。



Aシート吊りロープの結束

・シート吊りロープ(25m)を結束します。上の骨パイプから、かみくくし、中間のパイプにはのの字結び、下のパイプにはフナ結びの順番で取り付けます。







B土のう作り

・土のうの袋詰めは17袋行います。そのうち3袋は重し土のう、2袋はあおり止めの重し土のうとして使用します。


C重し土のうの取り付け

・まず3袋の重し土のうをシート下部の骨パイプに取り付けます。

・土のう1袋につき2本のロープ(5.0m)を使います。まず一番下の骨パイプに、土のうを乗せないでかみくくしを行います。その際には、余ったロープの両端の長さを揃えてください。

・そのかみくくしをゆるめて、その中に土のうを挿入します。


・土のうはしばり口を下流側に向けて取付けてください。



・土のうを固定し、余ったロープの両端はまとめて上の骨パイプへぶら下げるようにフナ結びにします。

・重し土のうを取り付けたシートは土のうを芯にして、すのこ巻きにします。



Dあおり止めの重し土のう

・重し土のう2袋をシート上流部にあおり止めとして用意します。



・まずロープ(6.5m)2本を1.5m程の差をつけ、固結びで結束し、2回のの字結びでねじります。

・重し土のうとロープの結束はふた結びで行います。

・さらにロープ(12m)とふた結びで結束します。

・そのロープを上流側の木杭にフナ結びで固定します。



E枕土のう設置

・枕土のう12袋は、堤防の両側の肩にそれぞれ2袋ずつ6カ所、土のうのしばり口を下流側に向けて設置します。


F木杭の打ち込み

・木杭の打ち込みは、堤防の居住側斜面に3箇所、千鳥に打ち込みます。




Gシートの投げ入れ

・3本の留め杭にシート吊りロープ3本と重し土のうの付けたロープ1本をフナ結びで結束します。

シートを転がすように投げ込み、最後にあおり止めの重し土のうを上流側に入れます


※シートを投げ入れる際は、命綱等の安全対策を行ってください。


■シート張り工法は、1枚では効果は限定的で、複数枚投入するのが一般的です。

また、シート張り工法は、あおり防止のため、少しずつ重ね、下流から上流の順に投入するのが基本です。


シート張り工の作業手順 動画(10分00秒) (MP4形式) ※BGMが流れます




この動画は、北海道河川財団の水防工法テキストに基づいて作成しています
水防工法テキストも参照しながらご覧ください