講演主旨
2011年3月11日、M9.0の大地震と大津波は大きな衝撃を日本国民だけでなく、世界にも伝えられました。当時「想定外」という言葉を新聞、テレビで目にすることが日常的となり、1年以上が経った今もその光景が鮮明に記憶に残っています。また、半年後、日本を縦断した台風や停滞前線などによる洪水被害の悲惨な状況に、自然の脅威を思い知らされたものです。
河川技術者である高橋裕先生は、「これからの河川のあり方を考察する場合、第2次世界大戦後の約半世紀に、日本の河川が歩んだ波瀾万丈の歴史の教訓をどう生かすかが問われている。そして、この半世紀は私が河川の勉強を始めてから今日に至る期間と符合している。」と述べているように、河川技術者としての豊富な体験を基に貴重な示唆をいただきました。