釧路川湿原内蛇行区間の河床・河道特性に関する調査研究

Research Study on the Meandering Characteristics of Kushiro River
内島邦秀
Kunihide UCHIJIMA
北見工業大学工学部土木開発工学科教授
要旨

本研究の目的は,常時河岸・河床が水没している釧路川の釧路湿原内蛇行区間における河床形状及び河道の特性を明らかにすることである.このため,調査区間として湿原貫流のKP22~32区間(約10km)を選定し,ADCP及びGPSを使用して河道法線,河床縦・横断形,流況について詳細な観測を実施した.

その結果,河川環境管理上重要な調査全区間の水理諸量を定量化できたこと,蛇行部が連続している当区間においても,左右岸沿い河床縦断形は互いに逆位相の波形を成して交差し,交互砂州河床と同様な様相を呈するが,多くの場合蛇行部と蛇行部のほぼ直線状の中間部に平坦な河床の横断形が出現すること,蛇行角が180度に近い湾曲部には水衝部が2箇所発生し,その箇所で底面近傍の2次流が卓越することが成果として得られた.

≪キーワード:蛇行,湾曲,2次流,河床形,河床形態,河道法線≫