緩和曲線を挿入した河道湾曲部の流れと
河床形状に関する研究(その3)

A Study on F1owsand Bed Topographies in Curved Open Chame1s
内島邦秀
Kunihide UCHIJIMA
北見工業大学工学部土木開発工学科教授
要旨
本研究の目的は,一貫して緩和曲線(クロソイド)を挿入した河道湾曲部における流れ特性及び河床形状特性を明らかにし,湾曲部外岸に敷設される護岸工の設計に関わる新たな指針を得ることである.過去2年間は基礎研究として交角(蛇行角)180度の湾曲部について,平面形状が単曲線,クロソイド対称基本型及び対称凸型の3ケースに対して解析的・実験的に検討した.
今年度は,実際河川で頻度の高い交角60度を対象に平面形状が単曲線,クロソイド対称基本型,非対称基本型2種類の4ケースの移動床実験を行い,河床の縦横断形状を詳細に測定して外岸側洗掘を軽減する平面形状について検討した.その結果,湾曲部内上流側のクロソイド長を水路幅の2倍以上に設定すれば単曲線形状で生じる洗掘深を2割程度軽減できることを明らかにした.
《キーワード:湾曲,2次流,河床変動,洗掘深,緩和曲線》