樹林群を考慮した浅水流モデル
-2次元モデルと1次元モデル-

A SHALLOW WATER MODEL WITH LIGNOSA FROM LARGE-EDDY SIMULAT1ON
中山 恵介
Keisuke NAKAYAMA
運輸省港湾技術研究所 海洋環境部環境評価研究室
(〒239-0826 神奈川県横須賀市長瀬3-1-1)
要旨

日本の河川には,高水敷に樹木が多く存在する.親水性に注目すると,よりよい景観,休憩場の供給といったすぐれた特徴があげられる.しかし,いったん洪水が発生すると,単純には抵抗物として河川流の阻害,その他,樹木の乱れによる洗掘・堆積の予測し得ない場所での発生等,多くの間題を引き起こす可能性がある.
洪水などの現象を再現する際,これまで常流,射流が存在する場合には簡便な浅水流方程式の解法が存在していなかったが,著者によるCIP法を対流項の計算に用いたモデルにより,再現することが可能となった.この方法に,1arge-eddy simu1ation(LES)モデルと固液混相流のモデルの考え方を導入し,新たな1arge eddy simulation using cubic-po1ynomial interpo1ation for convective term in shallow water f1ow mode1(CIP-CSWF)モデルを構築した.モデルの検証は実験を行い,よい再現性が得られた.
さらに,そのモデルを1次元化することにより,著者により考え出された不飽和浸透流モデル(unsaturated infiltration flow using rectangular grid:UIF-RG)に適用し,長期流出計算における適用可能性を検討し,十分な精度で適用できることが分かった.

《キーワード:CIP法;浅水流方程式;固液混相流;不飽和浸透流;フィルターファンクション;矩形グリッド》